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企業が取り組むべき脱炭素とは?メリットと実践ポイントをわかりやすく解説

世界的に脱炭素の流れが強まるなか、企業には自社の排出量を減らす取り組みが求められています。国際的な基準や国内政策も強化され、対応を求められる場面が急速に増えました。その一方で、何から取り組んでいけばよいのかわからないと悩む企業も少なくありません。
この記事では、脱炭素へ取り組む目的や効果、実践のポイントを整理し、企業が前に進むための基本を解説します。

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目次

    脱炭素とは?

    近年、さまざまな場面で耳にする「脱炭素」とは、企業や社会全体で温室効果ガスの排出を減らし、環境負荷の少ないエネルギーへ移行する取り組みです。気候変動対策の基盤として世界的に重要視されており、多くの国や企業が取り組んでいます。

    ここでは、脱炭素の具体的な意味や必要性について解説します。

    ※参照:地域脱炭素とは - 脱炭素地域づくり支援サイト|環境省

    脱炭素の意味

    脱炭素は、温室効果ガスの排出量を少なくする取り組みにとどまらず、社会全体のエネルギー利用の仕組みを持続的な形式へ切り替える考え方です。排出削減と吸収拡大を組み合わせ、地球の気温上昇を抑えることが特徴です。

    設備更新や再エネの導入は、事業効率の向上にもつながるため、環境対策でありながら企業価値の向上にもつながります。

    脱炭素への取り組みが必要となった背景

    脱炭素が求められる背景には、気温上昇の加速や自然災害の増加など、気候変動による影響が深刻化している現状があります。国際的にはパリ協定で気温上昇の抑制が合意され、日本も2050年に排出量を実質ゼロにする方針を示しました。

    これに伴い、企業には排出量の削減だけでなく、事業リスクの低減や取引要件への対応が必要になり、脱炭素は経営上の重要課題として扱われるようになっています。

    ※参照:環境省|地球温暖化対策計画(令和3年10月22日閣議決定)

    世界における脱炭素への取り組み内容

    世界では、脱炭素を加速させるために政策づくりや排出管理の基準整備、再エネへの移行が一体で進んでいます。ここでは、その代表的な取り組みについて解説します。

    主要国政策による温室効果ガス削減施策の推進

    各国は、温室効果ガスの削減を進めるため、法律や投資支援を通じて企業の取り組みを後押ししています。削減計画を国全体で定めることで、産業界が長期的に設備更新へ踏み切りやすくなる点が特徴です。

    省エネ投資の拡大や再エネ導入の加速につながるため、結果として企業の運営コストを抑える効果も期待できます。政策により方向性が明確になることで、企業の脱炭素が継続しやすい環境が整えられます。

    GHGプロトコルによる国際的な排出管理基準の導入

    GHGプロトコルは、企業が排出量を正しく把握できるように設けられた国際基準です。排出をScope1〜3に分類する仕組みにより、自社だけでなくサプライチェーン全体での排出実態を把握できます。

    基準が世界共通であるため、海外取引がある企業は信頼性の高い情報として評価されやすくなることが魅力です。削減計画の立て方が整理されれば、対策の優先順位も判断しやすくなります。

    ※参照:温室効果ガス(GHG)プロトコル|環境省

    再エネ転換による国際的な脱炭素施策の推進

    再生可能エネルギーへの転換は、国際的に最も進んでいる脱炭素施策の1つです。発電段階でCO2をほとんど排出しないため、企業が長期的に排出量を下げられる点が大きなポイントです。各国が補助制度や長期契約モデルを整備することで、企業は導入コストを抑えながら安定した電力確保を進めやすくなっています。

    再エネへの移行は気候対策だけでなく、エネルギー価格の変動リスクを抑える取り組みにもつながります。

    日本国内における脱炭素への取り組み内容

    国際的な動きに合わせて、日本でも脱炭素の実現に向けた政策や支援が広がっています。ここでは、技術革新の後押しから地域単位の実践まで、具体的な取り組みについて解説します。

    グリーン成長戦略による技術革新と重点分野の拡大

    グリーン成長戦略は、脱炭素を産業の成長機会として捉える国の取り組みです。再エネ、水素、自動車、半導体など重点分野を定め、研究開発や設備投資を強く支援しています。技術革新を促すことで排出削減と産業競争力の向上を同時に進められる点が特徴です。

    企業は補助金や長期支援を活用しやすくなり、新しいビジネスの創出にもつなげやすい環境が整っています。

    ※参照:2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略 (METI/経済産業省)

    GXによる経済構造転換と排出削減の両立

    GX(グリーントランスフォーメーション)は、経済成長と脱炭素を同時に進めるための国家的な方針です。化石燃料に依存した産業構造を見直し、省エネ設備や再エネ電源への転換を後押しします。排出削減を企業の負担ではなく競争力向上の機会と捉える点が大きな特徴です。

    エネルギー調達の安定化や設備の効率化にもつながるため、多くの企業の経営課題と直結しています。

    ※参照:GX(グリーン・トランスフォーメーション) (METI/経済産業省)

    自治体施策による地域脱炭素モデルの形成

    自治体も地域ごとの特性を生かして脱炭素を進めています。再エネの地産地消、EV充電網の整備、公共施設の省エネ化など、生活と産業の両面で実践が増えています。地域内で排出を減らすだけでなく、企業が参加しやすい制度を整えていることも特徴です。

    自治体の取り組みが成功すれば、他地域へ広がるモデルとして機能し、全国的な脱炭素の加速につながります。

    企業が脱炭素に取り組むメリット

    脱炭素への取り組みは環境対策にとどまらず、企業の経営にも多くのメリットをもたらします。ここでは、企業が得られる具体的な効果を解説します。

    電力などのエネルギー費用を減らせる

    省エネ設備の導入や再エネへの切り替えは、使用するエネルギー量を抑えられるため、長期的なコスト削減に直結します。効率の低い設備を見直すことでムダな消費が減り、変動しやすい燃料価格の影響も受けにくくなります。

    運用コストが安定すれば経営の見通しも立てやすくなり、資金を成長分野へ回すことも可能です。脱炭素は資金計画を支える取り組みとして評価されています。

    企業イメージや信頼性が高まる

    脱炭素を進める企業は社会的な責任を果たす姿勢が明確になるため、顧客や取引先からの信頼を得やすくなります。採用でも、環境への取り組みに関心を持つ若い世代から支持を集めやすいことが特徴です。情報開示を進めることで透明性が高まり、投資家からの評価向上にもつながります。

    結果としてブランド力の強化や選ばれやすさの改善にも寄与します。

    新しいビジネスのチャンスが生まれる

    脱炭素への対応を進めると、既存事業の価値を高める機会が広がります。たとえば、省エネ化で削減したコストを商品開発やサービス改善に回せるため、競争力向上にもつながります。また、エネルギー使用量や排出量を見える化した企業は、大手企業が求めるサプライチェーンの環境基準を満たせるか評価しやすくなるため、商談の対象として選ばれやすくなることも大きなメリットです。

    海外基準や取引先の要求に応えやすくなる

    海外企業はサプライチェーン全体で排出量を管理する動きを強めており、取引条件として削減努力を求めるケースが増えています。脱炭素を進めておけば、こうした基準に応えやすくなり、取引機会を失うリスクを抑えられます。グローバル取引が多い企業ほど重要になる項目です。

    企業として取り組むべき脱炭素化のステップ

    脱炭素に対する企業としての取り組みでは、いきなり大きな投資を行う必要はありません。まずは現状を正しく把握し、取り組む順番を明確にすることが大切です。ここでは、企業が無理なく進められる脱炭素の流れについて解説します。

    自社の排出量を見える化し、削減目標を決める

    最初のステップは、自社の温室効果ガス排出量を正確に把握することです。エネルギー使用量や排出源を洗い出し、どこに無駄があるのかを可視化します。その上で、達成可能な削減目標を設定すると、社内で優先順位を共有しやすくなります。現状を把握しておくことで、後の対策も効果的に進められます。

    部署ごとの課題を洗い出し、取り組む順番を整理する

    排出量を把握したら、部署ごとにどの工程でエネルギーを多く使っているかを整理します。製造、物流、オフィスなど部門ごとに課題は異なるため、改善効果が高いところから着手することが大切です。全てを同時に進めるのではなく、優先度をつけて段階的に取り組むことで、負担を抑えつつ成果につなげられます。

    再生可能エネルギーの導入でエネルギー源を切り替える

    脱炭素を進める上で、化石燃料から再生可能エネルギーへ切り替えることは大きな効果があります。まずは電力プランの見直しや、比較的導入しやすい太陽光発電の検討など、取り入れやすい部分から始めるのが現実的です。自家消費型の導入やPPAモデルなどの方法も選べるため、企業規模に応じて段階的に進められます。

    国際イニシアチブに参加して取り組みの信頼性を高める

    脱炭素の取り組みを社外から評価してもらうには、国際的な基準に沿って進めることが大切です。RE100などの国際的な取り組みに参加すれば、取り組みの妥当性を第三者に認めてもらえるだけでなく、取引先への説明もしやすくなります。

    無理のない範囲で段階的に参加することで、自社の取り組みをより信頼性の高いものにすることができます。

    参照:RE100

    まとめ

    脱炭素は、単なる環境対策にとどまらず、コストの最適化や企業イメージの向上、新しいビジネス機会の創出にもつながる重要な経営テーマとなっています。大きな投資をいきなり行うのではなく、まずは排出量の把握や省エネなど、できるところから段階的に取り組む姿勢が大切です。国際的な基準や取引先の要請も踏まえた上で、無理のないステップで継続していくことが、これからの企業価値向上に役立つでしょう。

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    執筆者:SCSK株式会社 EneTrack事務局